Lacruma Christi-キリストの涙

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ラクリマ・クリスティ(キリストの涙)というワインを飲んだ。
辛口だがフルーティー、芳醇な感がある。
昔、イタリアのポンペイ(今のナポリ)がその悪徳のため神の怒りに触れ、火山によって滅ぼされた。その悲惨な様子を天から見ていたキリストが.涙を流し、その涙が地に落ちた場所からワインの樹が生えたのだという。
ゲーテがナポリを訪れた折に飲み、なぜキリストはドイツで涙を流してくれなかったのかと悔しがったという逸話も残っている。

ところで、より神に近くなったイエス・キリストが地上の出来事のいちいちに涙を流したりするだろうか?
神とは冷淡なものなのだ(少なくとも人間的感情から判断した場合)。
しかし、相も変わらず罪深い地上の様子を見てキリストも嘆くことがあるかもしれない。
全人類の罪を背負って磔刑にかけられたのにまるで無意味だった、などとはさすがに思わないか。

「わが神、わが神、なぜ私をお見捨てになったのですか」という叫びは絶望の叫びではなく、イエスが人々の罪を背負っての贖罪の意味を持っているのだという。
強引な解釈だなあ、とキリスト教に無縁の身としては感想を持つけれど、しかし、イエスの磔刑を目の当たりにして、多くの罪深き人々が衝撃に打ち震え、人生を転換させたこともまた事実なのだろうと思う。
その衝撃の記憶が、キリスト教を現在のような世界宗教にまで育て上げたのだ。

しかし、どんな美しい記憶、魂の記憶もやがて薄れていく。
現在の世界の姿を見て、イエス・キリストは何を思うだろうか?
この世界を打ち壊して、もういちどやり直すべきだと思うのだろうか?
そういえば、一度は贖罪を一身に背負って人々を赦したキリストだったけれど、同時に終末の時に再臨し、最後の審判をくだすのも彼だった。二度目の赦しはないのだね(涙)。
死者をも蘇らせて審判をくだすという非情な終末観だけれど、最後に裁く時はせめて涙してほしいような・・。

ラクリマ・クリスティ、神秘の涙をひとくちのんで、聖夜に思った。





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この記事へのコメント

於兔音
2009年12月28日 15:20
クリスマスの思い出は寒い深夜の荘厳なミサ。
神様は、なんて残酷なんだろう。。と子供心に思ったものです。
いつか生贄となる運命の子どもをつかわすなんて。
などと。。。

Lacruma Christiのんでみたぁぃ!
と、つい。すみません
2009年12月28日 18:30
於兔音さん!
ありがとうございます。
そして、ご無沙汰していてすみません。また少しずつ復帰します。

数年前、酒屋さんの前を通った時に、「キリストの涙」あります
という貼紙を見たんです。以来どんなワインなのだろうと思いを
膨らましていました。ロマンチックですよね
来年は白ワインのほうを飲んでみようかと思います。

ネーミングに弱いE・Gでした

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