病院の庭

.
画像


病室から玄関まで迷路のように錯綜し、薄暗いのだ。
だから、そこだけひかりの射しこむ廊下でぼくはいつも立ち止まり、
窓ガラス越しにその庭を見つめる。
虚ろに明るい光りのそそぐその場所には静寂を際立たせるかのよ
うなベンチがひとつ-誰かがそこに座ったことはあるのだろうか?
ぼくはまだそこに誰の姿も見かけたことはないのだが・・・・・。

父はいまも呼吸器や電極やチューブの類に身体中繋がれて、ベッ
ドで眼を見開いているだろう。
(死ナセテアゲラレナクテゴメン)
あの時、ぼくの手を握りしめた父の手の思いがけない強さ-生きて
いるとは・・・・・。

なぜ、誰も訪れない庭があり、誰も座らないベンチがあるのだろう?
-そんなどうでもいいことに、思いはいつも漂っていく。

ぼくはいつか、そこに途方に暮れた父が座っているのを見るのでは
ないだろうか?


※元気でいることをお知らせするため、たまに独白します。

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 2

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
ガッツ(がんばれ!)

この記事へのトラックバック