テーマ:存在

川の流れの果て

父が亡くなった。 臨終の時も葬儀の時も、やはり涙は流れなかった。 病院では、妹が泣いて父の遺体に取りすがっていたが、なんだか遠い光景のように視界の隅に映るだけだった。 ぼくは冷たい人間だろうか? おそらくそういうことではないのだろうと思う。 ぼくは、たぶん他の人とは死の捉え方が異なっているのだ。 いつの頃から…
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想いの器

現代の人は「夢想家」と云う語を古臭いやうに云って、そんな人間は日々に活動している居る實際の社會に一人も居ないやうな口気を漏します。けれども果たして其通りでせうか。人間はまだまだ傳習の夢を見て居て、折々にちょいと目を開いては微かに眞實の一片を見るのでは無いでせうか。 -与謝野晶子「夢の影響」 世界のはてで花は ただひとつ…
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からくり

どんなからくりがあって ぼくたちこの世界にいるの? 車輪を回しつづけていれば いつか意味とひとつになれるの?
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パスワード

夏がやってくる前に 木漏れ陽に目が縫いつけられる前に 《思い出さなければ》 瓦礫となった言葉のかけら 海に呑まれた意味の泡のなかから 寄せては返す時のうねりの果て 無限の慟哭を刻んで佇つオベリスク 崩れ堕ちた神殿の記憶は新しい 夢を生む心臓からは血が流れ止まない パスワードは忘却された …
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さくら往還

散るために咲くのか 咲くために散るのか ティアドロップのように 花びらがあなたの頬を伝う
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揺れる世界で

頼りない、とはこのことか。 不動であるはずの大地がかくも無抵抗に揺らされ、津波のなかに意思を持たぬ人形のように人々が呑み込まれていく。 ひとの生に尊厳などあるのか?と改めて強く思わされた一瞬。 揺れたのは大地ばかりではない。ひとの心はそれ以上に激しく揺れた。不安と恐怖という波になすすべもなく足元を攫われたのだ。 腹だだしいほ…
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神秘

なぜ無いのではなく有るのだろう? なぜいのちは存在するのだろう? 儚くもまた永遠であるもの (そんなにも深い言葉はただ感じるほかはない) 雲は流れ 月は幾億もの夜を渡り なぜ感じるのだろう? なぜかなしみは海のようにあふれ 尽きない愛のように胸に打ち寄せるのだろう? (生まれる前から私がわたしで…
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花は花になる前に

花は花になる前に どんな風に吹かれていただらう どんな夢を経てきただろう 生まれる前より生まれ 宇宙を孕む種子であったとき 花よ、と誰が呼んだのだろう
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天動説

天動説 月は濡れて胸に墜ちる 星々が撒き散らされ 神話が魂たちのうちに宿る ( 船は生も死もない海へと乗り出しました ) あなたは永遠の邂逅のために 終わりなくわたしを巡っている だからわたしは独りの中心となって すべての外部とともにそこに在る ( ただあなたを想って逆巻く星雲のように独り ) …
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